日本を今一度せんたくいたし申候
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いまも多くの日本人に愛され続ける幕末の志士、坂本龍馬。土佐藩の郷士の家に生まれ、19歳で江戸に遊学。その年ペリーが黒船を率いて来航し、江戸はハチの巣をつついたようなパニックに。若い龍馬も急きょ、藩の臨時御用に徴用され海岸警備を命ぜられる。ペリー来航は多くの志士たちに「日本」を意識させた…。
19歳から33歳で刺客の凶刃に倒れるまで、この幕末維新の仕掛け人はせっせと手紙をしたためた。現存する龍馬の手紙130余通と重要文書の中から24編を選び、時代背景を織りまぜて、易しく読み解いたのが本書である。「勝憐太郎殿の弟子になった。国のため天下のために力を尽くしたいので40歳までは故郷に帰るつもりはありません」(29歳)。「長州に人物なしといえども、桂小五郎という者がいる」(31歳)。そして、「表に書かれた6 か条は、小松帯刀、西郷隆盛、木戸孝允、並びに私なども同席して話し合ったもので、少しも相違ございません」(32歳)は圧巻。何と生々しい歴史の証言か。これは木戸が薩長同盟の締結内容を記し、龍馬に確認を依頼してきた手紙の裏に、朱筆で表面の記載内容を保証したものである。この同盟は密約であったため文章化されなかった。ゆえにこの書簡が薩長の軍事同盟を証明する唯一の歴史的文書となったのである。家族に宛てた手紙からは、優しくユーモアあふれる龍馬の等身大の素顔がうかがえる。龍馬の「肉声」に耳を傾けると、彼の元気と気概を分けてもらえそうな気になる。(家永光恵)
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